所得税と社会保険の「扶養」の違い

 社員の妻がパートとして働いているような場合などに、自分の扶養に入れたいと申し出てくることはよくある話ですが、「扶養」といっても所得税法上の扶養親族と社会保険の被扶養者とは基準が大きく異なっています。

 

 まず、最も大きな基準についての違いは収入についてです。

 

 所得税法上では、扶養親族の判断は1月から12月までの収入額が103万円に達するかどうかでします。この103万円には非課税である通勤手当は含みません。そして、雇用保険の求職者給付のような非課税給付も含みません。

 

 これに対し、社会保険上の被扶養者は、年収が130万円未満(60歳以上の者や特定の障害者は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年収の1/2未満(例外あり)であることとされています。金額の算定方法も違っていて、被扶養者の判断は、今後1年間の収入見込みが130万円未満かどうかでなされます。たとえば、1月から8月まで月収20万円で働いていても、9月から月収6万円で働くようになった場合は、9月から社会保険上の被扶養者の対象になります。

 

 また、所得税法上の基準とは違って、収入には通勤手当も含まれ、雇用保険の求職者給付のような非課税給付も含まれることになります。ですので、雇用保険の求職者給付を受給中は被扶養者になれない=扶養に入れないということも起こりえます。

 

 収入以外にも、所得税法上の扶養親族は、6親等内の血族と3親等内の姻族等であり、生計が一緒であればよく必ずしも同居を要件とはしていませんが、社会保険の被扶養者の範囲とは異なっていますので要注意です。

 

 

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