人材採用について
社長一人で起業して、事業が軌道に乗ってくると足らなくなるのが人手です。猫の手も借りたいなんてことを言う一人社長もいらっしゃいますが、猫を見て心が癒されることがあったとしても、仕事上は猫の手では何の役にも立たないことだと思います。そこで、ここでは「会社設立後の労務手続き」とは直接関係ありませんが、会社発展の上で必要となる人材の採用方法についてご紹介したいと思います。
ハローワーク(公共職業安定所)で求人申し込み
人材を採用したいと考えた時に、どうやって募集するかは悩ましい問題です。事業が軌道に乗ってきていたとしても、まだまだ人材の募集に費用は掛けたくないといった場合にお勧めなのがハローワーク(公共職業安定所)で求人の申し込みをすることです。求人の申し込みは原則どこの会社でも行うことができますし、なんといっても費用がかかりません。また、ハローワークの求人は掲載期間がありますが、人材の採用が決まらず掲載を延長したいといった場合には、更新をすれば掲載の延長をしてもらえます。更新をし続ければ、半永久的に無料で掲載をしてもらえることになるわけです。さらに、ハローワークで求人の申し込みをし、ハローワークの紹介で人を採用した場合には助成金の対象となることもあります。
メリットがあればデメリットもあります。ハローワークの求人申し込みは、原則、求職者の誰もが求人票を見て応募することが可能です。会社にとっては、採用したいとターゲットにしている人材以外からも問い合わせがくることになります。ハローワークの求人申し込みは、無料であるが故に多くの会社が利用しています。すでに採用が決まっているにも関わらず、掲載を止めることなくそのままにしている会社も多いので、求職者にとっても検索機能こそありますが自分にあった仕事を探しづらいという面があります。また、求人票の紙面は画一的であり、会社の独自性を出しづらいという面もあります。
デメリットもあり、求人申し込みをするための書類作成の労力や時間は必要ですが、やはり無料というのは捨てがたいです。実業のため時間が無い場合や労力をさくことができないような場合などは、社会保険労務士を利用するというのも一つの方法です。社会保険労務士は人の採用、雇用に関するエキスパートです。求人の申し込みをするには、雇用に関する法律をクリアしたものである必要がありますが、書類作成の上で社会保険労務士からアドバイスをもらうことができますし、書類を作成してもらうこともできます。注意点として、社会保険労務士に依頼すると書類作成の代行料などで費用は発生します。
求人広告を利用する
求人広告は、正・契約社員、パート・アルバイト、派遣社員など雇用形態に応じて採用活動を広告で行なうものです。新卒学生さんの就職活動で有名なリクナビやマイナビ、中途採用のリクナビネクスト、パート・アルバイトを探す際のタウンワークやジョブアイデムなどが代表的なものになります。求人広告の営業さんは、人材の採用を考えている会社へ訪問し、広告枠を提案します。広告枠への掲載を受注すると、営業さんはどのような人材を採用のターゲットにしているのか、どのようなメッセージをターゲットに向けて発信するのかなどをその会社の人事担当者からヒヤリングしたり、時にはいっしょに考え、会社自体の魅力や条件、イラストなどが載せられている求人広告を作成します。広告ですので、仮に広告を出して採用できなかったとしても広告掲載料として料金を支払わなければなりません。料金はインターネット媒体なのか紙媒体なのか、大きさなどにも異なりますし各求人広告会社の得意とする分野によっても変わってきます。どの求人広告会社を利用するか迷うこともあるかもしれませんが、求人広告のコンサルティングを行なっている会社もありますので困った時には相談してみるといいかもしれません。求人広告の営業さんが面接や採用等のプロセスについて細かくアドバイスをするということはあまりないと言えます。求人広告の営業さんの腕の見せ所は、如何に依頼主が必要としているターゲットに向けて良いメッセージを作り、応募の総数を上げるかです。それが、求人広告を利用する会社が繰り返し依頼してくれるかのカギとなります。